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2013年6月26日 (水)

週一集その七 セイタカアワダチソウをみつめて

 

Yellow Messages;

セイタカアワダチソウを

みつめて       北村 周一

 

赤は赤らしく、黄色はこがねにかがやきを増して、今年の紅葉は目をみはるばかりに美しい。葉陰にも色が滲み出るかのような秋の景色のなか、セイタカアワダチソウの満開の花々が黄金色の房々を日のひかりに遊ばせている。ここ利根川の河川敷でも、そしてわが境川の川原でも。

今秋、CAMP「場所・群馬」展(前橋芸術会館)に出品の機会を得、かねてより気になっていたセイタカアワダチソウを素材にして作品をつくることになった。タイトルは、「イエロー・メッセージ」、セイタカアワダチソウをアメリカ型様式のひとつのモデルとして捉えてみようとする試みである。 

北アメリカ原産の帰化植物である背高泡立草は、第二次世界大戦後日本各地に広まった。が、その姿、その生命力の強さゆえか、あるいは花粉症の原因としても疑われたためか、この植物によい印象をもつ人は少ない。さらに根や地下茎から、他の植物の種子発芽を抑える物質を分泌して繁殖していることもあり、9.11以降なおさらイメージが悪い。そこで、この悪名高きセイタカアワダチソウの生態を調べてみることにした。

以下は岡山理科大学波田研のHPからの抜粋である。

もともとは鑑賞用に導入されたとの説もあるが、急速に広まったのは第二次大戦後のこと。蜜源植物として優秀なので養蜂業者が積極的に種子を散布したとの話もある。

和名の由来は、同じ属のアキノキリンソウの別名アワダチソウより草丈が高いことによる。多年生草本、地下部からアレロパシー 物質(ポリアセチレン化合物など)を分泌し種子発芽を抑制する。そのため新たな植物の侵入は困難になり、地下茎で繁殖するセイタカアワダチソウの天下となる。

ただしこのような能力は、セイタカアワダチソウに限ったものではなく、ヨモギやヒメジョオン属の植物も同様な能力をもつことが知られている。ススキなどのイネ科植物の発芽を抑制するという。セイタカアワダチソウやヨモギが繁茂すると当面これらの植物が覇権を握ることになるが、その時点でススキが侵入しているならば、やがてゆっくりとではあるが、ススキが広がって上層を覆い光を遮りススキ草原へと遷移することになろう。

実はセイタカアワダチソウは、蜜源植物でもあることからわかるように花粉をミツバチなどの昆虫によって媒介させる植物であり、花粉を風に乗せてばらまく植物(風媒花)ではない。つまり花粉アレルギーの元凶ではなかったのだ。ならば、このセイタカアワダチソウへの対応があらためられてもよいのであるが、いったん広がった風評はなかなかあらためられない。

旺盛な成長力を利用し、法面の緑化などへの利用も検討されたが、イメージが悪いので実施には移されていない。しかしながら、現実の法面では表土の流出防止には貢献しているともいえる。茎はなかなか丈夫であり、ニュー萩という名前で袖垣などに加工されたりする。

場所や環境が異なれば、この花への印象も全く異なるようで、風光明媚な観光地で調査をしていると「この美しい花の名前を教えてください。」などと聞かれることもあり、苦笑してしまう。以上。

 

各地の湖沼で日本原産の川魚を駆逐しているブラックバス、ブルーギルなどに比べれば、同じ帰化種ながらセイタカアワダチソウはむしろ有益な植物だといえる。土のあるところならどこでも一様にみられる分、損をしているのだろうか。

11月半ばすぎ、わが四駆の車窓からみえるセイタカアワダチソウは、綿毛をためてかがやいていた。コーラやハンバーガーにかわるシンボルとしてみることはできるとしても、帰化種として根付いたセイタカアワダチソウの姿は、ダムやテトラポットが風景の一部として視野に入ってくるのと同様に、今や日本の風景ともいえよう。少なくとも国土荒廃のメタファとして扱う素材ではないようだ。(200111月)

付記Ⅰ 

セイタカアワダチソウ;学名 Solidago altissima Linn  

           英名 Tall goldenrod                                        

           綱名 双子葉植物綱合弁花亜綱

              キク科アキノキリンソウ属

付記Ⅱ

イエローといえば、おもいだすことがある。いささか古い内容だけれど、いまもなお引っかかっている(点滅している)ので、書きとめてみたい。

つづく。

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