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2016年6月 6日 (月)

一台の特種用途車しみじみと見送りしのちのそらのくうはく

四百七十四日目。梅雨に入ったそうな。

そらのくうはく』 全十五首公開。(2014年初出)

 

 

身にふかく落ちてはひらく点描の雨はしばしばこころにも降る

 

ふいの死のおもみをはかり損ねつつもどす受話器の意外な重さ

 

きみの死の日より数えて三日余り雨、雨、雨がふり止まぬなり

 

ワイパーの音に紛れて降りつづく雨の中なる義弟(おとうと)の家

 

ここにはもうきみはあらずや窓のそと泳ぐ視線のさきざきに雨

 

六月の雨に濡れたる家々のしずかなること 義弟先立つ

 

庭を降る雨と語らうひとときを笑まうきみあり写しえのなか

 

低い声にときおり和する高い声だれもが認め合うために 死を

 

折り方を思い出しつつオリヅルは通夜をいろどる言葉となりぬ

 

いもうとよぽつりぽつりと風呂桶に落つる水滴死に切れずあり

 

あかときのホテルに眠るうつしみの生きるというは音立てること

 

折り畳み傘をひらいて雨のふる死者の側へとそを差し出す

 

任意の点見失いたるひとつぶの雨の軌跡をてのひらに受く

 

止むかしら 青み帯びたる水無月の空にちいさく息を吐くひと

 

一台の特種用途車しみじみと見送りしのちのそらのくうはく

 

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